01介護費用の全体像
介護費用は老後の3大支出のひとつです。生命保険文化センターの調査によると、介護期間の平均は5年1ヶ月、月々の費用平均は約8.3万円です。これに加え、住宅改修や福祉用具の購入など初期費用もかかります。
介護費用の3大要素
介護保険制度を活用することで自己負担を1〜3割に抑えられますが、限度額を超えたサービスや食費・居住費は全額自己負担です。また、介護度が重くなるほど費用は増加する傾向があります。
02介護の種類と月額費用比較
在宅介護
要介護度・利用サービス量による。介護保険1〜3割負担
月額
5〜15万円
入居費: 0円
メリット
慣れた環境で暮らせる・費用が比較的安い
注意点
家族の介護負担が大きい・重度になると限界がある
特別養護老人ホーム(特養)
要介護3以上が入居条件。入居待機が長い場合あり
月額
5〜15万円
入居費: 0円
メリット
費用が安い・終身入居が基本・医療連携が充実
注意点
待機期間が長い(数年になることも)・相部屋が多い
グループホーム
認知症の方を対象。少人数(5〜9人)での共同生活
月額
15〜20万円
入居費: 0〜100万円
メリット
認知症ケアが専門・アットホームな雰囲気
注意点
認知症の方のみ対象・身体介護が重くなると退所の場合も
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
見守り・生活相談サービス付きの賃貸住宅
月額
10〜25万円
入居費: 0〜30万円
メリット
自由度が高い・入居しやすい・費用が比較的リーズナブル
注意点
介護が重くなると退居が必要になる場合も
介護付き有料老人ホーム
24時間介護スタッフ常駐。終身利用権方式が多い
月額
20〜40万円
入居費: 0〜数千万円
メリット
介護・医療・看取りまで対応・設備が充実
注意点
費用が高い・入居一時金が必要な施設も
住宅型有料老人ホーム
生活支援サービス付き。介護は外部サービスを利用
月額
15〜30万円
入居費: 0〜数百万円
メリット
比較的自由な生活・要介護度が低い方向け
注意点
重度介護になると退居が必要になる場合も
03介護保険の活用方法
40歳から保険料を払う介護保険は、65歳以上(または40〜64歳で特定疾病)になると認定を受けてサービスを利用できます。要介護度に応じた「区分支給限度額」の範囲内で、1〜3割の自己負担でサービスが利用できます。
区分支給限度額(月額・10単位換算)の目安
※1単位10円(地域によって異なる)で計算。実際の費用は利用サービスにより変動します。
04介護費用の備え方
介護費用への備えは、大きく3つのアプローチがあります。
① 自己資産(貯蓄)
最も基本的な備え。老後資金として介護費用も含めた総額を試算し、計画的に積み立てましょう。介護が必要になった場合の流動性(すぐに使えるか)も重要です。
老後資金シミュレーターで試算する →② 介護保険(民間)
公的介護保険の自己負担分や、施設の入居一時金などを補う目的で加入する民間保険です。要介護状態になった際に一時金や月々の給付金を受け取れます。公的年金と組み合わせて考えましょう。
③ 親の資産の活用
親の介護費用は、まず親本人の資産(年金・貯蓄・不動産)を活用します。不動産がある場合は「リバースモーゲージ」や売却も選択肢です。老後資金が不足する場合は子供が補助するケースもあります。
老後生活費シミュレーターで試算する →05施設の選び方
老後の住まいを選ぶ際は、以下の5つのポイントを総合的に判断することが重要です。
軽度なら在宅・サ高住、重度なら特養・介護付き有料老人ホームが向いています。認知症の方はグループホームも選択肢です。
医療処置(透析・経管栄養・気管切開など)が必要な場合は医療連携が充実した施設を選びましょう。
入居一時金と月額費用の両方を考慮。長期的な資金計画(10〜20年分)で無理のない施設を選びましょう。
家族が面会しやすい距離にあることが重要です。遠方の施設は緊急時の対応が難しくなります。
施設で最期を迎えることも想定し、看取りに対応しているかを確認しましょう。
06介護費用シミュレーター(無料ツール)
07よくある質問
要介護度と介護の形式によって異なります。在宅介護(要介護2程度)で月5〜10万円、有料老人ホーム(介護付き)で月15〜35万円+入居一時金が目安です。特別養護老人ホーム(特養)は月5〜15万円と費用を抑えられますが、要介護3以上が入居条件で待機期間が長い場合があります。在宅介護費用シミュレーターで詳細を試算できます。
介護保険には要介護度別に「区分支給限度額」があり、その範囲内のサービス利用は1〜3割の自己負担で済みます。例えば要介護2の場合、限度額は月約19.7万円分のサービス(10単位×地域単価)で、1割負担なら約1.9万円が上限です。限度額を超えたサービスは全額自己負担になります。介護保険 区分支給限度額シミュレーターで計算できます。
一般的に在宅介護の方が費用は安いです。ただし、要介護度が上がると在宅介護の限界が出てきます。特養は最も費用が抑えられますが入居待ちが課題です。費用だけでなく、介護度・認知症の有無・家族のサポート状況・医療ニーズなど総合的に判断することをお勧めします。老後の住まい診断ツールで状況に合った施設タイプを診断できます。
生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担含む)の平均は月約8.3万円、介護期間の平均は5年1ヶ月です。これを単純計算すると約506万円ですが、個人差が大きく、施設入居の場合は1,000万円超になることも珍しくありません。老後資金シミュレーターとあわせて計画的な備えを検討しましょう。
1ヶ月の介護サービスの自己負担額が一定の上限(所得に応じて月1.5〜4.4万円程度)を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。医療費と合算できる「高額医療・高額介護合算療養費」制度もあります。高額療養費シミュレーターで医療費の自己負担上限を確認できます。
市区町村の介護保険担当窓口(または地域包括支援センター)に申請します。申請後、認定調査員が自宅を訪問し、主治医の意見書をもとに審査・認定されます。結果が出るまで約1ヶ月かかります。要支援1・2または要介護1〜5に認定されると介護保険サービスを利用できます。要介護度 目安チェッカーで事前に目安を確認できます。
①要介護度・認知症の程度②医療対応の必要性③月々の予算④立地(家族が面会しやすいか)⑤看取りへの対応——の5つが主なポイントです。特養は安いが待機が長く、サ高住は自由度が高いが介護度が重くなると転居が必要になる場合もあります。老後の住まい診断ツールで最適な施設タイプを診断できます。
原則として介護が必要な本人(親)の資産・年金から支払います。子供には「扶養義務」がありますが、親の資力を超える場合に補う程度です。ただし親の資産や年金が不足する場合は子が負担するケースも多く、事前に家族で話し合っておくことが重要です。老後資金シミュレーターで介護費用を含めた総額を試算しておきましょう。
要介護度の目安から確認しよう
20の質問に答えるだけで要介護度の目安と月額費用の概算がわかります。
まずは現状を把握してから、施設選び・費用計画を進めましょう。